カテゴリ:④文化研究( 1 )
「角打ち」の語源
   角打ち語源に関する試論

    「打つ」の真意を問う

角打ちの語源には諸説ある。
昔、酒屋は計り売りの時代。客は「通い徳利」で買いに行ったもの。
持って帰り飲むことに我慢ならずその場で酒を所望。酒屋も心得たもの
計量用の枡で呑ませた、と。

枡の角で飲むから「角打ち」と名付けられた。
だが疑問が生じる、「枡」で飲むのにあえて「角」とするか。さらには
なぜ「打つ」なのか、「飲む」が自然で、「枡飲み」でいいはず。

これまで、どこを調べても「角打ち」の語源は
見当たらない。そこでやむをえず、神戸角打ち学会で
その語源を見出すことにした。



「飲む」と「呑む」の語源が重要

飲む・・・ゆっくり飲み込む意、茶、ジュース、味噌汁、ビール、ウイスキーなど
呑む・・・「塊」を、喉に放り込む感じを表す、「気合いで日本酒」を呑む感じ
     「ごく、ごく、ごく」と。(実はこの響きがこれ以降の展開の鍵となる)
         ※いまどきの、大吟醸などは違うが

◎ここで、神戸角打ち学会会員の吉田氏、渡辺氏の指摘する「角打ち語源説」

関東(江戸)が発祥との説があります。
江戸の講談師が、中山安兵衛の高田馬場の討ち入りの講談の中で、
仇打ち直前に酒屋で枡酒を一升引っかけて、仇打ちに走って向かったとか。
この時状況を講談師が、「安兵衛〜角を!打ったり〜!」 と話したとか・・・?
相当の酒豪だったようです、ただ 「講談師見て来た様な嘘お付く。」 と言いますから^^
定かではありませんが、この講談で 『枡の事を角』 と言ったのが始まりらしく、
それ以来、酒屋で枡に酒を注ぎ、立って呑むことを 「角を打つ」 言われ始めたとか

「角」は、どう疑っても「枡」しかあり得ない
1部、 カウンターの角でなどという説があるが噴飯もの
その時代の酒屋にカウンターなどあるはずがない。


◎どの解釈も、「角」は「枡」の意味だろうまでで終始しており道半ば

「打つ」には
 誰一人として踏み込んでいない。

 この現状を、「角打ちの定義」を会是とする神戸角打ち学会として
 看過するわけにはゆかない。事務局の試論としてここに述べる。
 今後会員で検討のうえ、会長の決裁を得て
 会の「語源解釈」として後世に残し語り継ぎたい。

■角打ちの「打つ」に関連する考察

これまでの三十有余年に亘る立ち呑みの経験、経緯から
 やっと、以下の結論に至る。
 先ず、「呑む」の意から抽出される「ごく、ごく、ごく」と「打つ」
 に、何らかの関連性があろうという仮説で取り組みを進めた。それでは、
 気になる「3つの案件」から解きおこしその「真意」をあきらかにしよう。

①遍路を打つ

昔日、遍路の関連で「逆打ち」という語句を知る。すなわち「逆回り」
  正しい回り方は「順打ち」。遍路をなぜ、「打つ」というのかを調べると核心はこうだ。
◎いまは「紙の札」を参った寺に納めるが、古くは「木の札」を参った寺に
  槌や石などで「打ちつけた」ことより派生し「遍路を打つ」となったとの記述あり。

  「コン,コン、コン」と打ちつける。

  そう、角打ちも「ごく、ごく、ごく」で呑み終える
  音の響きから、枡で酒を呑むありようを「打つ」と表現したのだろう。

  ここで「打つ」とは

  酒を気合いで「塊」のように喉に放り込む意と重なる

② 合槌を打つ

刀鍛冶が、たたらで高温に溶融した鋼を槌で打つ時
弟子が両脇から「阿吽の呼吸」を介し鉄槌で叩く
これも「コン、コン,コン」・・・・相槌を打つの語源は
これから派生したとのこと
「打つ」という言葉には、日本文化の本質が潜む。「言霊」が宿る。
酒呑みの先達は「枡」を隠語としての「角」に置き換え
更に意味ありげな「打つ」と結びつけ
「角打ち」という見事な言葉を残してくれた。
当時の「酒屋主人」と「客」の枡を通じての阿吽の呼吸まで観えるようである。

ここでも「打つ」とは

酒を気合いで「塊」のように喉に放り込む意と重なる

※吉田、渡辺両氏の言う仇討説をこの視点で解釈すれば
 講談師は「仇を打つ」に「角を打つ」を音韻的、意味的にも
 かけたわけで、講談台本を作った時代の前から「角打ち」の
 言葉はあったと思われる。
もし・・・・

 先達が「枡飲み」としていたら・・・

仇討の中山安兵衛は枡に入った酒をさも旨そうにちびちび味わう。
飲み始めて数刻、「肴じゃあ、旨い肴を持って来い」「もっと上等な酒はないのか」
と大声を。その後もまるで舐めるように延々と飲み続け、終に日は落ち、
その日の仇討は終に果たせなかった・・・・こういう顛末になったろう。

■すなわち、角打ちの「打つ」とは

    酒屋の店頭で、計り売りの酒をあわただしく
    恰も、塊りの如くに「ごく、ごく、ごく」とまるで
    呑み逃げでもするかの如く、三口で呑む早技を、
    「コン,コン,コン」のリズムと重ね表現した
    先人の文学的叡智ではなかろうかと思う。

 ※擬音からの派生という妙味に心くすぐられる

③饂飩を打つ

手捏ねや、足踏みでこさえる饂飩、さらには蕎麦を
何故打つというのか疑問であった。

世の解釈では
・捏ねた生地を板に打ちつけたから
・料理用語で「切る」を打つと表現する慣習から
・中国語の(打電話―電話する)打は、なになにする意で饂飩をこさえるという意味。

など解釈されているが、ここに核心的解釈を発見
昔の中国で、麺を作ることを「打麺」と呼んだとの解釈が。

いまの中国語の「拉麺」は、「拉」が引っ張り伸ばす意味で
あるからして、ひっぱり伸ばした麺という意味になる。
日本の細く伸ばして作る「素麺」は中国では「拉麺」の範疇なのだろう。
広島のやよ福フアンクラブ汪先生は「拉麺は縁起がいい」とおっしゃるが
寿命が延びる縁起から。

この「打麺」、まさに、木槌で麺の生地を
「コン,コン,コン」と叩きのばしていたということ。
これと前の、「遍路を打つ」「相槌を打つ」の
3つを通底している符号は

「コン,コン,コン」

更にここでも「打つ」とは

酒を気合いで「塊」のように喉に放り込む意と重なる

結論

「角」は「枡」の隠語
「打つ」は、遍路を「打つ」になぞらえてつけた粋な言葉
また「打つ」は、「ごく、ごく、ごく」の「コン,コン、コン」の音韻置き換えでもある
このように「角打ち」は言霊の国「日本」の俳味あふれる粋な先達の「造語」である。


最後に、余談ではあるが・・・

1 遍路になぞらえ「打つ」とした背景に

・角打ちを神聖なこととして意味付けようとして、枡を四国に見立て
 酒遍路したいという願望に託し、店先での余り品のよくない行為を
 神仏信仰にかこつけたのではないだろうか?
 ここに日本文化の神髄、軽さと俳味が感じられる
・当時酒は貴重品。飲み足らず、八十八枡呑みたいなとの「はしご酒」願望
 も込められていたのかもしれない。いつの世の酒徒も同じ。

 「角打ち」の打つは「遍路を打つ」に
 なぞらえて生まれたと見る方が自然だ。

2 うどんも「打つ」というが、うどんもルーツは

弘法大師が唐から伝えたとの説も。同じ「打つ」の語源で
勘ぐれば、「角打ち」の先達はひょっとして
「遍路を打つ」「饂飩を打つ」の並びとして「角を打つ」に思い至ったのか。

まさに時代の寵児、最先端の「鉱山技師」でもあった
弘法大師にあやかったのでは!
などと勘繰ったりもしたくなる。
3 相槌を打つ、鍛冶技術の重要な炭。火力の強いたたらに
必要な「白炭」も弘法大使が唐から持ち帰った「製炭技術」

まさに余談だが「3つの案件」の背後には弘法大師のお姿が!

 「打つ」は「呑む」と同義だと結論付けたが
「角打ち」は日本の酒文化に裏打ちされた麗しい言葉
即物的な「立ち呑み」よりこころくすぐられる

        

      神戸角打ち学会



神戸角打ち学会、「大人の酒遠足」実施の
記念すべき日に、全国に「角打ち」の語源を
問いかける。
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by koubekakuuti | 2012-07-01 08:55 | ④文化研究
  

酒を心から愛し、角打ちの文化を研究する会合の事務局ブログです
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■会長ブログ■

神戸角打ち学会
(至福の立ち呑み)



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慕撫さんの
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■会是■

・角打ち「祖形文化」の深耕と伝承

・足腰の鍛錬、酒味の追求
 地霊の畏敬

 (健康、感性、感謝)





■角打ちについて■



●「角打ち」の定義

①酒屋の立ち呑みの祖形

②包丁、まな板、コンロを使わない簡単な「アテ」を出す立ち呑み

③酒屋小売価格と同じ価格で飲ます立ち呑み

そのほか

・メニューを貼ってない
 (酒料金は表示ある場合も)
・個別の伝票がない
 (広告の裏など利用)

  ※最近気づく




●「立ち飲み」とは

・居酒屋から椅子を取り除いたもの



●「立ち呑み」とは

・酒屋が飲食システムを
付加したもの



●「角打ち」とは

・量り売り酒屋が、持ち帰る
 前に枡でのませたもの
 (枡の角で飲む意)



●「角打ち」と「立ち呑み」のアテより見た境界

・煮る範疇は「立ち呑み」
 (鍋、コンロ、まな板、
  包丁使用)

・加熱、焼くまで許される
 「角打ち」
 (電子レンジ、ストーブ上)






■角打ち学会テーマ部会

①酒研究部会

 佐野(PAPA)さん

②肴研究部会

 吉田(写真酒)さん

③形態研究部会

 伊藤(HAKUDOU)さん

④開拓研究部会

 渡邊(慕撫)さん



(テーマ凡例)

・「角打ち」と「立ち呑み」の
 境界
・なぜ「立って」呑むか
・なぜ「コップ」で呑むか
・神戸「角打ち」の核心は
 (大阪立ち呑みとの一線)
・「角打ち」の作法探求
・「神戸角うち」人気
 店、アテ、酒
 ランキング
・器、温度による酒味相性
・神戸ハイボール再現
・チュウハイを極める

■角打ち学会推薦酒■

 ・仙介
 ・大黒正宗
 ・道灌
 ・菊正宗


 ・豊潤
 ・八鹿
 ・一の井手
 ・右近橘


  ◎オリジナル清酒を造る

■神戸と大阪立ち呑み
 スタイルの違い

①看板酒が灘酒

 (看板酒は、伏見・灘他)

②紹興酒あり

 (河内ワインあり)

③灘酒200ミリコップ

 (酒販組合200ミリコップ)

④蒸し豚あり

 (どて焼きあり)

⑤比較的静か

 (賑やか多し)

⑥椅子・足台ありも

 (麦酒ケース代用椅子)



大阪立ち呑み
九州角打ちの


汽水域


■今後の活動

 年6回の部会
 年1回の総会

■入会申し込み

事務局へ

 お名前、住所を

 tatinomi@hotmail.com

まで


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